詩/ポエム
雷を井戸に閉じ込め晴れて蚕蛾の飛ぶ島の撓わな世界樹の実に熱い生糸を結び伝い来る鼓動の共鳴から果実の断面を霊視に描き出す
缶詰の朝を口開けて飲み明るい日差しの他人事の熱っぽい風音と軋みを聞く
七兵衛と透け波の鎖を解き放ち確かに居ることの霊視に浸る幸せ
浮かぬ瀬の明日吹く風に着く島の訪れ視り遇い混じり合うグラスの中は晴れ結ぶ
トーストを焼く魔法陣が回る間に太陽を盗んだエロイムエッサイムな人造バターを取りに冷蔵庫を開けると霊符の貼られた缶コーヒーを見つけた
晴れたよと猫が各宅にハートを配り回る
雨上がりにカーテンと障子の隙間を鉄鼠を咥えて猫が横切る
泥濘む轍に七支刀が鵺の目玉を咬み潰す車輪が回る
囀りに雨の中まだ先の猫の庭に小鳥が見えぬ手で連れて来られる兆し
鵺に起こされた土砂降りの朝に胸が開かない
これから私が救う奥深くの宝箱の中の子猫は生きている___追記(加筆修正):これから私が救う奥深くの開けられた事の無い宝箱の中の子猫は生きている
二つは一つの番いの猫は眼の前を立ち去る虚しさで今月は次の猫の日まで霊びな比売の庭に入らず揺れ動いた易の兆しに坂道の二の舞が漂う雛鳥と魔女の飛ぶ獣道も辿らない
霊びな萌える樹々の庭に踏み込むと斑な木漏れ日の影に魔女の猫が寝て居りズボンの裾に爪を立てられながら撫でて非時香菓の白い蕾や開いた花を愛で碑から水鏡また碑を振り返ると斑な木漏れ日の影に白猫が居り珍しく他の客と明るく和やかな挨拶を交わし木漏れ…
四つ葉のクローバーが叶うのなら7本目の針が悪人の手によって抜かれませんようにとパオペイの酒蒸しと味噌汁に舌鼓を打ち天女の尺八と鶺鴒を想い浮かべながらナースに抜かれて龍穴から流血が迸り出て押さえ抑えた献血の日が懐かしく腕の龍脈が踊り今日5本…
沈黙の丘で山上の垂訓によって降された豚王の最期の常夜の独房は誠に的を射て意図せず彼岸と此岸の狭間の井戸に舟を浮かべて糸垂らし原型を釣り上げて魚拓を取る此方側の人であったかと唸り叶うなら彼の立ち去る前に更に一つ彼の果樹園の地に生えた四つ葉の…
貰った貝が上がるかと思えば刑期を終えた理髪師が飼う長い物が飯の上にのり学び舎に鯉が跳ねて霊びな遣いが柏餅をくれた日に「陰宅の中の陰宅」の話が耳に入り「陰宅の中の陰宅」とは何ぞと今に思い霊びな比売の木陰の頂や七々見の今は亡きホテルが腑に落ちる
雅各布の梯子を架けて野性の天の穴を箒で塞ぎ甘酒が柄を伝って四度の時は動き出す三位一体を腹に収めて野生を駆り占いが生成されダブル熱帯夜を歩いて湿った光の溜まりを番いの蝶が飛び交い天の献血に甘酒が迸り苦悶からくぐり抜けて魔女の猫の尻を満て腹も…
座が歩き胸の鳥が証明されて二尾の魚を分かち合う
ワルプルギスの夜を心の力で越えて水鏡を前に背に雉が鳴き聖域の外を鴉が囲い七つの大罪の娘の栞は何故二重だったのか問うも「心の力」とだけ答えが返り恐らく取り急ぎ心の力から迸る聖液を浴びせてエクソシストする必要があるのだろう死歌詞だ浴びせたくも…
心の力のまま身が跳ねると弾かれる軌道は星を結ぶものなのか試しにエデンに過ぎ去りし過去を求めて一つだけ残っていた狂戦士の水玉を手に取れば同じ水玉の大判写真が二枚も栞されて有る失敗で御負けを二重に得した事を後で知り赤色灯のモノクロが眼の前を通…
心の力で炙り出されたジョーカーは悪霊の神々で犯人解っちゃいました
昨日今日と足にピタリと添いつき立ち止まる亀の何を恋しか温かい雨に濡れ排水口に流れ落ちる糸は蛇か縁か
湯上がりのチビッ子が一枚また一枚と下着や服を着る度に現れては私の利き腕と肩を全力で殴打して往復する遊びを微笑ましく思い今は晩酌で心地よい酔いとともに利き腕が凄く痺れているし正直に言って今になり酷く痛い
湯上がりのチビッ子が一枚また一枚と下着や服を着る度に現れては私の利き腕と肩を全力で殴打して往復する遊びを微笑ましく思い今は晩酌で心地よい酔いとともに利き腕が凄く痺れているし正直に言って今になり酷く痛い
過去を問えば確かに血生臭い止ん事無い方の夏の一時であれ鎧や剣を帯びない言葉は偽りとは視えないのに必要悪以上の数多の血に餓えた獣が支えに目立って居るのが他人事ながら見るに忍びなく態と貶める画策もあるものかな乗せられる痴れ者も多く色々な意味で…
生まれた月日が煩悩の娘の面影に魅入り寝入りに金縛りに遭うも美ずの怨み深くに眠り起きて視覚の沼に踏み込み精力を喰われたり影に喰われぬためにはと逆しまに霊視により対象から精力を吸引するに好い色や形を霊びな比売の仮象に探り煩悩の面影や美ずの怨み…
影のある想いを思わず漏らしたら霊びな比売も以前より好ましく思っていなかったのか三度頷いたので星を吊る糸が切られるのかもしれない
節分の温めは三度時が止まり四度時は動き出すのか二つ三つ四つ五つと数えてヨモギの霊びな柏餅を食べた
ホトトギスの声を背に霊びな比売が夢を物語り鼻と鼻の下を伸ばして聞く大魚が歌う福は内
寝起きに霊びな比売と札遊びして引き札のアポロンの意を解く森の川に山葵しげり帰りの路上に石かと思えば亀で射抜く矢は山吹の風か鎮魂歌
霊びの鳥と遅咲きの黄金の桜の月に酔い